初！

最近読んだ本がこれです。

「穏やかな死に　医療はいらない」
なんだか病院を敵にしそうな感じですけど・・・

緩和ケア診療所＜いっぽ＞というところの緩和ケア医師が書かれた本です。
自ら大学病院の外科医として第一線で活躍し、徐々に終末期ケアに関心を持ち始め
緩和ケア医として現在も活躍されています。

なぜ、この本を買ったのか。
萬田医師の一言がきっかけでした。
「生まれてくるときに　おめでとうと言うのなら
　亡くなる時にも　おめでとうと言えるような　
　そんな世の中にしたい」

え？？
死ぬ時も＜おめでとう＞を言うの？？？
言えるわけないじゃん！

それが私の反応。
だって、誰かが亡くなるって、やっぱり悲しいし・・・



少し前までの私は、人が亡くなることに対して
悲しい・ツライ・淋しい・・・しかなく、
もう少し、何かしてあげれなかったのかな・・・
本当にこれでよかったのか・・・
他に延命できる手段があったんじゃないか・・・
ご家族は？
本人は？？

そんなことばっかり考えていました。
目の前で息を引き取っていく人。
私の腕の中で戻らなかった鼓動。
後悔や残念な気持ちが充満してパンクしてしまいそうでした。


でも、今の職場で看取りを経験するたびに、すこしずつ変わっていきました。
本人の様子をよく窺っていたら、必要なものとそうでないものが分かる気がします。
もちろん、私は医師ではないので診療も診断もできませんが、
観察はできます。

何をしたいのかなぁ・・・
何が食べたい？
何が心配？
嬉しいことは？
悲しいことは？

笑顔になる瞬間は？

一人ひとり、考えていることもできることも違う。
それが当たり前で、同じ人はいない。
じゃぁ、最期の時もそれぞれ違っていい。

その人が、
満足して終末を迎えられるように。

希望の場所で最期が迎えられるように、
最後まで好きなものが食べれるように、
最期に大好きな人たちに囲まれて逝くことができるように。


そんな、生きてるうちから最期のこと考えてるの！？と、お叱りを受けそうですが、
いつ、なんどき、どうなるかは分からず、
その時になって慌ててもなんの解決にならず、気が付いたらお葬式が終わってます。
一体、何が良かったのか悪かったのかも分からず、
満足も納得もありません。
さすがに＜おめでとう＞はまだ言えません。
でも、
「お疲れさまでした。ありがとね～」って言えるまでになりました。

私の職場は緩和ケア病棟でもなく、ホスピス施設でもありません。
でも、できる限りのことをしていきたいと思っています。


好きな時間に起きて、好きな時間に寝て。
好きなものを好きな分だけ食して。
たまにはずっと起きてても平気な日があったり、かと思えば、1日中寝入ったり。
ある程度の生活のリズムや生活の管理はあった上で、
本人のペースに合わせて時間が流れます。

そろそろ老衰の域に入ってきたかな・・・
食事量少なくなってきたな・・・
寝てる時間が長くなってきたな・・・
それでも、穏やかに過ごしてるな・・・

じゃぁ、何ができるかな。
何をしてほしいかな。

そんな毎日です。

いつか、＜誕生＞と同じくらい
笑顔で＜最期＞を迎えられるように
それまで、いっぱい話をしよう！
いっぱい隣りにいよう。
介護保険とか、コロコロ行政変わってワケ分んない。
寄りそう・・・とか、そんな教科書みたいなもんじゃなく、

隣りで一緒に楽しもう！

それが私のやり方です。